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特定非営利活動法人i&i『i工房』

『世界で1つだけのドリップバックコーヒー』の物語

1997年9月にi工房準備室としてスタート、現在は千葉県我孫子市新木・布佐で障がいのある方の地域生活を支援する特定非営利活動法人i&iとして、地域社会に参加することで社会的自立を目指している障がい者に対して、社会適応訓練・福祉的就労等の場を提供するとともに、就労や自立に向けての知識および能力の向上のために必要な訓練を行う2つの通所型福祉施設を展開しながら地域に根ざした活動をしています。

i工房の「i」には、障がいも個性(individuality)として尊重し、自立(independence)を目指すという意味が込められています。

『楽しみや生きがいを仕事に』

障がい者の自立と参加を基本とし「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(障害者総合支援法)によって指定されている事業所では、社会の一員として地域に根ざし一般の住環境に溶け込んで活動することが求められており、リハビリにもなり、地域とのつながりも生まれていく施設環境やプロダクト開発に取り組んでいます。日々の作業を生きがいにしながら、地域の方との直接的な触れ合いを通じて社会につながっていく環境づくりを地域に根付いて行っています。

現在は、多機能型事業所〈生活介護・就労継続支援B型〉i工房として、地域の方にご寄付いただいたテキスタイルを『咲き織り』で再生するクラフト活動とパッケージ1つ1つに絵を自由に描き仕上げていく『世界に1つだけのドリップバックコーヒー』の2つのプロダクトを主に手掛けています。

『手仕事の力』

いずれも指先を細かく使っていく作業が多く、トレーニングにもなることはさることながら、アーツ&クラフトを通じて自分らしく楽しみながら作ることができ、尚且つ誰もが何かしら参加可能な工程を見つけることのできることがこのプロダクトづくりの最大のコンセプトになっています。

指先は脳につながる神経が多く存在し、「第2の脳」といわれるほど脳と深く関係しているため、指先を動かす営みを通じて中枢神経が刺激され、思考力や言語力など様々なスキルが鍛えられると言われています。指先を動かすことは人にとって、指の力を鍛える以外にも様々な効果が期待できる大切なトレーニングと考えられています。

いつも前向きで明るい笑い声で皆を包んでくれる施設長の庵さん(左)

『はじまりは一人の筋ジストロフィー症の青年、そして、家族』

1999年5月養護学校(現特別支援学校高等部)を卒業したものの、社会で受け皿がなかった筋ジストロフィー症の青年を開設者の自宅でi工房PC-worksとして受け入れをスタートしたのが「はじまり」でした。

そして、施設長の庵(いおり)さんの妹さんが重度の障がいを患い、お話も歩くこともできない全介護であり、その妹さんの居場所を社会に作っていってあげたいというご両親の思いがそれを後押ししていきました。妹さんが高校生になった折に開所、妹さんも高校卒業後の2003年から通所をはじめました。

『とにかく何でも片っ端からやってみる』

当時はパソコンが一気に家庭や職場で普及しはじめていた時代でした。パソコンによる事務作業を請け負う事業所、その名も『PC works』がi工房の始まりでした。何であれば皆が作業に参加をできるか。蕎麦打ち、陶芸、農作業、作品展、コンサートなどなど。手探りでご両親はとにかく何でも挑戦していきました。

指先は脳につながる神経が多く存在し、「第2の脳」といわれるほど脳と深く関係しているため、指先を動かす営みを通じて中枢神経が刺激され、思考力や言語力など様々なスキルが鍛えられると言われています。指先を動かすことは人にとって、指の力を鍛える以外にも様々な効果が期待できる大切なトレーニングと考えられています。

開設当時5人だったメンバーが皆さん大のコーヒー好きで、ご利用者さんたちが地域の方とつながっていく機会を作りたいという思いもあり、地域の方に遊びに来ていただけるような場所をコーヒーで作ろうと始めたのが『ふれあい喫茶Poco a Poco』でした。ここでコーヒーを出しはじめることが、i工房の代表作となる『世界で1つだけのドリップバックコーヒー』の原点となりました。

開設当時5人だったメンバーが皆さん大のコーヒー好きで、ご利用者さんたちが地域の方とつながっていく機会を作りたいという思いもあり、地域の方に遊びに来ていただけるような場所をコーヒーで作ろうと始めたのが『ふれあい喫茶Poco a Poco』でした。ここでコーヒーを出しはじめることが、i工房の代表作となる『世界で1つだけのドリップバックコーヒー』の原点となりました。
『世界で1つだけのドリップバックコーヒー』

地域でお豆や焙煎に詳しい方に教えてもらい、自家焙煎でコーヒーを提供するようにまでなりました。コーヒーをドリップバックにして展開を始めたのは、作業工程の多さと納品の配達作業で地域と利用者さんがつながりを持てるようにしたいという思いからでした。

皆が日常作業として絵を描くアートの時間があり、最初は手探りでご利用者さんが描いた絵をデータにしてパッケージにプリントしたものなどからスタートしました。しかし『なかなかしっくりこない・・・』。であれば直接パッケージに絵を描いてもらうのはどうか?美大出身の職員や芸大からのお手伝いもあって、制作が具体的に進み、アクリル絵の具で描けば絵が落ちないなど、現在の形へと辿りつきました。

『誰もが必ずどこかに関われる仕事がある』ということ

ドリップバックコーヒーづくりの作業の最大なる魅力は『皆が必ずどこかに関われる仕事がある』ということです。今年度もダウン症の方と半身麻痺の方が入りましたが、最初はどのような作業が得意かを見極めていきながら、事業所に慣れて皆と打ち解けていくことが何より大切な時期です。

たとえそんな時期でも、『ミルを挽く』作業であれば比較的参加しやすいのです。ミルでお豆を挽く作業で香りたつコーヒーの良い香りに気持ちもリラックスできることや、何かしら関われることがあることで、楽しみながら自分のペースで居場所・得意なこと・やってみたいことが見つかっていきます。『世界で1つだけのドリップバックコーヒー』づくりは、そうした良い職場としての環境が自然と生まれていくお仕事になっています。
ドリップバックコーヒーづくりは、外部も参加できるプロダクトである魅力も。オリジナルのパッケージやオリジナルのブレンドでドリップバックを作ってもらうこと可能で、i工房のファンで活動を応援したい地域の飲食店やパン屋さんなどがコラボレートする輪が地域に広がってきています。

私たちNHUMAもその仲間のひとりです。誰もが自然体で楽しみながら、好きなことや身の丈で出来ることを通じてつながりや協奏が生まれてくクリエイションのプラットフォームをつくり出来上がっていく、作り手と使い手の垣根のない協奏関係が、自然と社会課題の解決につながっていくことを目指し、i工房のドリップバックコーヒーづくりを支援しています。

『高齢化は福祉事業の課題でもある』

開所から20年が経ち、お預かりしているご利用者さんも少しずつ歳を重ね、障がいに対するケアにも変化が求められています。ハンディキャップを持つ方々の身体機能の維持がどれほど難しいかを目の当たりにする日々で、お預かりを始めた若かりし頃に作った現在の施設では対応が難しいことも増えてきました。これから高齢化が進む利用者さんたちのために、身体機能の維持を目的とした新たな施設も建て直す必要があり、その資金を集めていくことが課題となっています。

しかしながら、少子高齢化などさまざまな税収減の課題を抱えている地方では直近の課題への支援が増額傾向にあり、長期を見据えた良き未来につながる教育や文化醸成をはじめとする投資を減額せざるを得ない状況が続いています。

『恩送りで応援の力が巡り拡がる社会づくり』

C’s CREATIVEは地域の仲間として、『i工房』が自力で課題解決ができる状態を目指し、より多くの方に応援いただきながら施設改修に向けた資金を自ら調達可能な廻りを作るべく、協奏しながらつくり上げていくオリジナルのコラボ商品を通じて、周知と応援の輪を広げる活動を行っています。